からくりの作り方【構想編】

コラム | Column

これからからくりを作りたい!でもどこから考えていけばいいかわっかんね!

って人向けの記事です。

からくりは出来上がったものを見れば「ああ、なるほど」なんて構造を理解するのは容易いかと思います。

でも自分で創るとなると迷い出すことがあるかなと思います。まあ、そういう方の手助けになればいいかなと思います。

内容は以下の順で。

  • からくりで達成させたい動きとは
  • 達成させたい動きの分解
  • 歯車のつなぎ方と速度比

からくりで達成させたい動きとは

「からくりを作りたい!」って思い立ったらどういう動きをさせたいのかは既に考えているかと思います。

「ゆっくり歩かせたい」とか「音を鳴らしたい」とか、あるかと思います。

「同時に複数のこともさせたい」とかもあると思います。

後から達成させたい動きが増えるとややこしくなるので、最初のうちにまとめておくといいです。

達成させたい動きの分解

からくりを考えるとき、この「動きの分解」が肝になってきます。

動きの分解とはどういうことかというと、

例えば「歩かせる」ということがしたければ、歩くための脚の動き方を考察していき、「歯車が担う動き」「リンク機構が担う動き」に分解し、「脚全体の一連の動きの流れ」とかを考えていくような感じです。

主にリンク系の機構は動きに直結する部分で使用されることが多いです。

歯車系の機構は内部で、他の機構とのタイミングをコントロールすることに使われます。

例はこんな感じ。

歯車のつなぎ方と速度比

使用する機構がだいたいわかってきたら動力源から機構まで、歯車をどうつないでいくかを考察していきます。

最終的には輪列図を書きます。輪列図については以下に書いてます。

いきなり歯車の大きさを決定することはできないと思うので、最初は使う機構を線で結んでいくような感じで書いていくといいです。

例はこんな感じ。

結んだら次は各機構の回転数を決めていきます。

単純な平歯車の輪列であれば、動力部分の歯車が1回転すると他の機構は何回転するのか、決めていきます。

この動力との比は最初はどれくらいに設定すればいいか検討を付けにくいかと思いますが頑張ってください。

回転数が決まったら輪列となる歯車の大きさを決めていきます。

歯車の大きさは加工可能な範囲の大きさで決めていきます。

一応ですが、歯車製作での歯車のサイズの特徴としては、

大きめの歯車:一度に大きな減速比を設定可能。ただし軸から歯までの距離が長いため精度が必要で、軸が斜めになると歯車がかみ合わなくなることもある。木製の場合は歪みにも注意。サイズが大きい分、設計の際に場所をとる。

小さめの歯車:大きい歯車に比べれば軸の傾きや材料の歪みをあまり心配しなくてよい。設計の際に場所をあまりとらないので密集した輪列を作れる。ただ、変速を複数の歯車で行うため、かみ合いが増えるとその分トルクの損失も増える。

みたいな感じです。回転数を1→10にする場合、大きめの歯車で1:10の比で作ってもいいですが、小さめの歯車で1:3:10のように複数で対応することもできるということです。

例はこんな感じ。

そんな感じで構想編でした。