機械花を昇華させる 2(R02/10/21)

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前回の続きです。

前回は花の設計やったので今回は花以外の部分を作ろうと思います。
花以外となると脱進機とか動力周りとかそれ以外かですね。

今回は動力部分をちょっとだけやっていきました。

とりあえず全体のサイズ感とかです。

右側にあるのは昔作った作品、「Escape of Escapement」です。

訳すと脱出する脱進機。
トゥールビヨン(腕時計における3大複雑機構の1つ)を搭載した脱進機が動力部分から離れた位置で動くというコンセプトの作品です。

今回作ろうとしている作品もこの「Escape of Escapement」のようにパイプを通して本体上部を動かし、土台側では動力のゼンマイと速度変換の歯車を内蔵するといった形式にしようと思います。

さて、動力。

過去作からゼンマイ部分のデータをいただきます!

設計済みで動くことが実証されているのでこれに歯車をつなげていくような感じです。

速度伝達比も過去作と同じでいいじゃん、と思うのですが、ちょっと今回は土台側でもやりたいことがありまして。

ゼンマイに傾斜を付けて設置するということです。

というのも、今回は「Escape of Escapement」のように上部がすっきりまとまるような設計はしないと思います。
上部のボリュームが多くなると垂直状態で取り付けると巻き上げの時にデリケートな部分に触ってしまう恐れがあるためです。

それを回避するためにも今回は30°ほど傾斜を付けようと思います。
あと今回は上部で色々と傾斜つけるような設計をすると思いますので土台側が奇妙でも問題ないかなと思います。

歯車の組み方は傘歯車を使って傾斜に対応させるようにします。

と、こんな感じで歯車を組みました。
これで土台側の歯車系は配置完了です。

減速比については詳細は言えませんが、この段階で1:600くらいはなっています。

歯車の肉抜きについては別にしなくてもいいかなって思います。
この上に肉抜きなしのフレームがかぶさるのでね。

底面を配置してみました。

するとここで問題が出てきました。干渉です。

土台とゼンマイが干渉しています。
この場合は底面を下げて対応すればいいんですが、今回は逆に底面に穴を開ける方法で対応させてみます。

やり方としては干渉している境界を外側にオフセットして切り抜けばいいです。

こんな感じです。
底面を下げると全体の厚みが増えますが、穴を開けて干渉回避すれば厚みを抑えられます。

残った方、ラチェット部分も面を貼って繋ぎのパーツで構築します。

この繋ぎのパーツですが、木材であれば穴を開けて接着(もしくは圧入)で対応できますが今回は金属です。

金属でどうするか悩みましたが、、、金属も穴を開けて接着で対応させてみたいと思います。

最近メタルロックっていう接着剤が人気らしいじゃないですか。
なんでも溶接並みの接着強度とかなんとか。

まだ現段階では試していないのですが、うまくいけば本体上部の造形にも使えるものになるかも?

接着してしまうとメンテナンスなどで分解できなくなりますが、工夫すれば対応できます。

と言うのも、回転体などの軸を保持するフレームは互いに平行になるためです。
平行なら接着では無くスペーサーで対応できますからね。

つまり、接着する部分は傾斜のある設計部分で尚且つ分解する必要がない部分になります。

先に載せた画像をまた載せますが、花のサイズ感はゼンマイ稼働の作品としてちょうどいい大きさになっていると思いませんか?

「Escape of Escapement」の上部が花や秩序ある無秩序のような造形で彩られるような感じにしたいんですよね。

あと左にあるのはいつぞやに設計した3軸トゥールビヨンです。

この世界時計の内部に入っているやつです。

(そういえばこの世界時計まだ途中だったなあ…いつか完成させなきゃ)

また進んだら書きます!