機械花、つまりは秩序ある無秩序をより良いものにしようと思います。
秩序ある無秩序は「座標軸の無視」がテーマでした。
今回もそのイメージは踏襲しつつ、モチーフとして用いた機械花に焦点を当てた作品を考えていきたいと思います。
今回は「人工植物」というテーマで考えていきます。
初めに考えていきたいのは機械花の構造の改良です。
秩序ある無秩序での機械花は6枚の花弁を1つのリンク機構で動かしていました。
花弁の形状は閉じた時にまとまるように既に内側に曲がっている形状でした。
んで、花が開き切った時にもその内側に曲がった形状が維持されたままなのは少し気になるのでその部分をなんとかできないかと考えました。
つまりは花弁に曲率の変化を持たせるということです。
どうやるかというと、交差リンクを使います。
交差リンクについては機構紹介では載せていませんでしたね。
言葉でイメージできるかと思いますが、平行リンクの交差バージョンみたいな感じです。
交差リンクは片方が傾くと開くように形が変わります。
これを利用し、花弁に関節を持たせることで角度を変えることができます。
↑考察第1段階。赤い線が折れた先の花弁で、根元の長いリンクを動かすと赤いリンクはより傾きます。
↑考察第2段階。リンクの長さを調整しました。より雰囲気が出てきましたが、最終角度で花弁の曲がる方向が逆になるくらいがいいかなと思いますね。
↑考察第3段階。交差リンクの寸法は変えずに赤い節の折れ角を変えました。最終角度で折れてる方向が逆になりました。
↑考察第4段階。リンクの寸法を調整しスリムにしました。ひとまずこの形状でいけそうです。
↑第4段階の考察を固定リンクごと傾斜を変えたイメージ。閉じるところから順に角度の変化ができていることがわかります。
あとはこれに肉付けして立体に落としていけばいいわけです。
肉付けしてみましたがなんかずんぐりむっくりしてますね…
全体のサイズと軸ピンの規格や最小肉厚などのバランスが合っていないようです。
この場合は全体のサイズを大きくするか、規格をより小さいものに攻めるかです。
今回は金属を使うことを想定しているので材料の強度としては十分でしょう。なので規格をより小さいものに、最小肉厚も薄くしてみます。
するとこんな感じに。さっきよりはいいかも。
左右2つありますがこれは花弁の形状が違う2つです。
花に寄せるため部品に曲線を使うのも考慮しますが、花弁は閉じた時のほうが重要だと思います。
”閉じてる感”があったほうがしっくりきます。なので右側の花弁形状を採用する方向です。
ちなみにリンクも若干曲げちゃっています。ここは曲げても統一感がなくならないのと、自然物に擬態させるためです。
あとちょっと曲がってたほうがなんか上品。
花が開くとこんな感じになります。
でもなんか足りない気がしました。
それは多分、花弁の数が5枚なのでスッカスカな感じがするからでしょうか。
花弁の数を増やします。
といっても、花弁はもう環状配列しきれません。
なので、内側に花弁を追加します。
こんな感じです。
内側の花弁については曲率を変化させる必要はないかと思います。
それはスペース的な問題もありますし、小さい花弁の曲率が変化したところで大して印象が変わらないと判断したためです。
ただ、内側の花弁にも折れ角は付けました。これは折れてはいますが曲率は変化しません。
ある意味で外側との違いが良いリズムになっていると感じます。
これは「花らしさ」ではなく「機械花らしさ」ではないでしょうか。よくわかりませんが。
金属はアルミと真鍮を使おうと考えています。花弁の羽根部分は機能性はないので金属でなくてもいいかなと思っていて、特徴的な色の木材などを考えています。
また進んだら書きます!