前回の続きです。
製作が滞っていたわけではないのですが、ビジュアル的な進捗の違いがあまりわかりにくいので時間が開いてました。
データは既に完成しています。
手前右側からの手回しによって全体の稼働をさせる作戦です。
手回しのほうがいいと思ったのは全体の必要トルクが大きそうだと感じたのと、
回しながらアハ体験みたいなのをしてもらいたいなと思ったからです。
完成データはこんな感じで、加工するためにはこれ以外に切削用データを作成します。
今回はCNCフライスを使って作ります。
僕が使っているCNCフライスはKitMill RZ300という代物です。
KitMill RZ300の特徴はなんと言ってもその加工テーブルのサイズだと思っています。
300×220mmの板を加工できます。なので、そのサイズ感で切削用データを作成します。
花の部分の部品データはまだですが、他のデータはこんな感じです。
t4が厚さ4mm、t9が厚さ9mmといったところ。
思ったより加工板が多くなくて早く加工できそうな印象です。
ちなみに、部品は加工後にテーブルから外れないようにしないといけないんですね。
そうしないとせっかく加工した部品が行方不明になったり、外れた時に工具とぶつかって故障の原因になったりします。
それを避けるために、部品の周囲にプラモデルのようにつながった部分(タブ)を作る必要があります。
fusion360という3Dソフトなら加工パスを作成する際に設定可能です。
僕が使用している3DソフトはRhinocerosというものなので自動でその機能はありません。なのでこのデータをfusion360に移動して続きを作成します。
ちなみに↑は傘歯車の加工用データです。
よく見ると歯車がタブでつながっているのがわかると思います。
(傘歯車は3次元加工になるので加工データの際にタブもモデリングしています。)
さてfusion360にデータを持ってきました。
fusion360でもモデリングは可能なのですが、僕はRhinocerosのほうが使いやすいと感じているので2つのソフトを行き来して製作しています。
fusion360はおもにCAM作成のために使用しています。設定後に自動でCAMを作成してくれるので便利なのです。
(CAMとは切削工具の動き方みたいなものです。)
こんな感じで切削のシミュレーションもできます。
切削シミュレーションで加工する板をしたから見ると部品同士がタブでつながっているのがわかります。こんな感じで3Dデータでは無くても加工パスを作成する際に設定できます。
予想加工時間も知ることができて、この4mm板だとだいたい2時間くらいで加工が完了します。
すぐできるので早速削ったよ!
材料にMDFを使っています。合板より耐久性には欠けますが、バリが発生しにくくて試作なんかにはうってつけの材料です。まあ今回は最後までMDFですが。
そんな感じで進めようと思ったところに問題発生!
傘歯車の加工時間がとても長かったです。
ある程度の加工時間は覚悟していましたが、まさか13時間もかかるとはビビりました。
実際の加工ではシミュレーションよりも時間がかかる傾向にあるので、この場合だと実際には20時間位かかるでしょうか。すごいですね。
ちなみにこれはオモテ面の荒加工の段階です。
傘歯車は3次元加工&両面加工なので、
オモテ面 荒加工 (予想13時間37分)
オモテ面 仕上げ加工 (予想10時間50分)
ウラ面 荒加工 (予想9時間36分)
ウラ面 仕上げ加工 (予想10時間8分)
と続きます。単純に合計しても丸二日かかる計算ですね。
今はそんな感じです。
次に進捗を書くのは全ての部品を削り出した時だと思います。
続く!