差動機構を使った減速例です。
レシピ
差動機構にもいろいろありますが、これは不思議遊星歯車機構に近い機構です。
不思議遊星歯車機構と違うのは内歯車が無い点と中心の太陽歯車が2つある点です。
2つの太陽歯車は歯数がわずかに違います。
片方の太陽歯車を固定し、もう片方は回転するようにします。
太陽歯車の周りを遊星歯車が回るわけですが、遊星歯車自体の回転は固定された太陽歯車との差から生まれます。
無固定の太陽歯車も遊星歯車とかみ合っており、遊星歯車の回転に合わせて回っていきます。
無固定の太陽歯車の回転角度は、遊星歯車が1周するたびに、
(無固定の太陽歯車の歯数 – 固定の太陽歯車の歯数)/(無固定の太陽歯車の歯数)
進みます。
例えば、固定された太陽歯車がZ=22、無固定の太陽歯車がZ=24の時、
無固定の太陽歯車は遊星歯車キャリアが1周するたびに(24-22) / 24 = 1/12 = 30°進むということになります。
この時、遊星歯車の歯数は無固定の遊星歯車の回転には影響しません。
このアニメーションの減速比は例として挙げた歯数で作成されています。
遊星歯車キャリアが1周すると太陽歯車が30°進む。これって何か見覚えありませんか?
そうです。時計の時針と分針の関係と同じです。
ということは、この差動機構を使うことによって、太陽歯車2枚と遊星歯車1枚で実質3枚の歯車があれば分針から時針への変速ができるということです。
(アニメーションでは遊星歯車を2つにしていますが1枚でも成立します。)
見えにくい部分は3Dモデルで確認してください。